リィンくんの嫉妬話の別バージョン

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※ 途中で終わってます


「クロウの馬鹿!!」
そう言うと、リィンは呼び止めようとするクロウの手を振り払い、どこかへと駆けて行った。置いてけぼりを食らったクロウは、頭を掻きながらリィンが駆けて行った方へと足を向けた。
(どこに行ったんだ?)
すぐに見つかるだろうと軽い気持ちで考えていたが、中々見つからず、クロウは内心焦ってきていた。ARCUSにも通信を入れてみたが、全く出る気配がない。最悪の事態を予想していたが、しばらくして探し人であるリィンの後ろ姿を捉え、気配を消しつつ後ろからリィンを優しく抱き込む。
「っ……!?」
いきなり後ろから抱き込まれたリィンは悲鳴を上げかけるが、自分を抱き込んだ人物がクロウだとわかると、何とか耐えた。
「どこ行っちまったのかと思ったぜ、リィン」
「…………」
何も言わず、リィンは俯く。そんなリィンにクロウは更に強く抱き込む。まるで逃さないとでも言うかのように──。
「リィン?」
「……──か?」
「ん?」
「クロウは…付き合うなら……やっぱり女のほうが……?」
少しだけ顔をあげて言うリィンの目には涙が溜まっていた。

pixiv [2014年1月26日]
© 2014 唯菜

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