俺は横で規則正しく寝息を立てているリィンを見る。その寝顔は起きてる時とは違い、年齢よりかなり幼く見える。
俺はそんなリィンの頬にそっと手を添える。
安心しきっているのだろう、こうやって俺が触れていても全く起きる気配はない。
「全く、お前は……何で俺なんかになつくのかねぇ……」
近づいたのは俺の方からだったが、まさかここまで懐かれるとは思わなかった。
そして、自分の中で、この存在がここまで大きくなるとは思わなかった。いずれこの存在も切り捨てないといけないというのに。
(何処で間違っちまったんだろうなぁー……)
そう思っていても、俺の中で確実にこの存在への想いは膨らむばかりだ。
「ホント、バカだな。お前は…………そして俺も。ホント、救えねぇ……」
だけど、今は、今だけはこの存在を大事にしたい。
その時が来たら辛いというのは分かっているが、今だけは──。
(リィン……)
寝ているリィンにキスを落とす。こうやって自分の存在をこの存在に刻みこんで、何をやっているんだ。自分の本分を思えば、してはいけない好意だと十分承知だ。しかも相手は今寝ている状態。
(ホント、何やってんだろうな、俺は……)
ただ今は、この存在を感じていたい。
そう思って俺はリィンに身を預け、目を閉じた。
pixiv [2014年1月26日] © 2014 唯菜
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